アニメ「涼宮ハルヒ」のテレビシリーズ「涼宮ハルヒの憂鬱」全28話と、劇場版「涼宮ハルヒの消失」が、5月3~6日にWOWOWで一挙放送される。
放送を前に、主人公・涼宮ハルヒの声を担当した声優の平野綾さんに話を聞いた。平野さんは、「ハルヒは確実に私の代表作。演じられなかったら、今の私はいないだろうなと本当に思います」と、作品に対する思いを語った。(毎日新聞デジタル)
「涼宮ハルヒの憂鬱」は、谷川流さん作、いとうのいぢさんイラストのライトノベルが原作。宇宙人や未来人、超能力者に興味を持つ涼宮ハルヒが「SOS 団」を設立し、遭遇する非日常的な出来事の数々を普通の男子高校生・キョンの視点で描いたSFストーリーだ。06年と09年にテレビアニメが放送されて人気を博し、10年2月には劇場版アニメも公開された。WOWOWでは、5月3日にテレビシリーズ1~11話、4日にハルヒたちの夏休みが8話にわたって繰り返される12~19話の「エンドレスエイト」、5日に20~28話(それぞれ午前2時から)を放送。6日午後10時からは劇場版アニメ「涼宮ハルヒの消失」を放送する。
アニメの放送から数年たってもいまだに人気の衰えない「涼宮ハルヒ」について、平野さんは、「(ハルヒは)すごく変わった女の子に見えるけども、意外と身近にいる存在じゃないかな。ひょっとするとハルヒというものは、私たちの中にいるんじゃないかなって。それが、共感のポイントだったり、こんなふうになってみたいなってあこがれる点じゃないかなと思います」と、人気の秘密を分析した。
ただ、ハルヒの第一印象は、「すごく悪かった。『なんだこの子は』って(笑い)」と感じたようで、「私だったらどう演じるだろうなと思ったときに、『女の子に好かれる女の子になってほしい』という気持ちがありました。実際絵が上がってきたとき、はつらつとした表情を見たときにやっと今のハルヒのイメージがわいてきて、徐々に(キャラクターが)できていった」と役作りのエピソードを披露した。第2シリーズが始まる前に、スタッフや監督から「5年前と同じ芝居をしてください」と言われてとまどったことも明かし、「せりふの言い回しとか、声質とか、自分で気づかない間に変わってしまった部分があったので、第1 シリーズを見直しながら演じていました」と苦労を語った。
最近は声優だけでなく、タレント活動や、舞台にも挑戦する平野さんだが、マルチな活動がどう影響するのか聞いてみると、「基本的に軸は声優にあるけど」と前置きした上で、「自分ができることならなんでもやりたい。それが自分に影響があることなら、いくらでも影響されたい。ハルヒで吸収したものを舞台に出そうと。そして、今度舞台で吸収したものを声優で生かすことができれば」と、力強く語った。
最後に「ハルヒ」のファンに対し、「もう5~6年前なので、人によっては環境が大きくがらっと変わる大事な時期だったりして、ハルヒによって何か変わったことがあればいいなと。一緒に歩んできた作品であってほしい」と思いを語り、放送で初めて見る人には、「(「ハルヒ」が始まってからの)5~6年間(のギャップ)を埋めるような、すごい食いつきで見てほしい。ぜひ追いついてください!」とメッセージを送った。