2011年10月4日火曜日

【機動戦士ガンダムAGE】世代またがり戦う壮大なスケール

10月9日から放送

 アニメーションの「機動戦士ガンダム」がテレビに帰ってくる。10月9日からMBS・TBS系で放送が始まる「機動戦士ガンダムAGE(エイジ)」は、世代をまたがり1世紀におよぶ戦いを描く壮大なスケールと、子供も楽しめるストーリーやキャラクターを持った新シリーズ。「イナズマイレブン」などヒット作を連発するゲーム会社のレベルファイブが企画に関わり、今までにない楽しさ、奥深さがあるガンダムを送り出す。


 1979年に「機動戦士ガンダム」が放送されてから32年。モビルスーツと呼ばれるスタイリッシュなロボットの活躍と、宇宙時代をリアルに描いたストーリーが支持を集め、世紀を超えて続く人気シリーズとなった。30周年を迎えた2009年には、高さ18メートルの“実物大ガンダム”が作られ、東京や静岡でお披露目された。

「基本は王道」

 「大きな節目を経た今、作品に敬意を表しながら、新たな時代を担うガンダムを生みだしていきたい」。玩具メーカーのバンダイ社長で、チーフガンダムオフィサーの肩書も持つ上野和典氏が6月の発表会で宣言したように、9日から放送が始まる「機動戦士ガンダムAGE」は、新たなファンを呼び込む仕掛けにあふれている。

 「『ガンダム』というタイトルだけで、誰もが1話は見てくれる。そこから、どう次を見てみたいと思うものを作っていくか」。初めて担当するテレビシリーズで、ビッグタイトルを任された山口晋(すすむ)監督(44)は、プレッシャーよりも「やってやろう」という意気込みで作品に臨む。「基本は王道。子供から大人まで楽しんでもらえる作品にしたい」。キャラの雰囲気を子供向けのアニメに近付け、一方で悩み苦しみながら戦う少年の成長を描いて、これまでのファンも引きつける。


 幼いころ、正体不明の敵の襲撃によって家族を失った少年は、家に伝わっていた最強のモビルスーツ、ガンダムの制作を進めていた。そこに襲ってきた敵。少年はガンダムを動かし、誰も倒せなかった敵に一矢を報い、大きくて長い戦いへと身を投じていく。その先に待っているのは、3代にわたってガンダムを駆り、戦い続ける家族のストーリーだ。

3作分作る労力

 「大河ドラマの『葵徳川三代』をガンダムでやる感じ」と山口監督。「舞台やキャラの設定など、アニメを3作分作るのと同じ労力がかかって大変で、これまで誰もやろうとしてこなかった」。ここに加わったのが、レベルファイブを率いる日野晃博(あきひろ)社長(43)。ガンダムの世界に新しい発想を求める制作側に応え、普通ならやらないアイデアを盛り込んだ企画を立てた。


 「AGEはいろいろなガンダムを出さず、1体だけのスペシャルな存在にしようとしたのも、そうしたアイデアのひとつ。同じ胴体をずっと使いながら、手足を替えて進化していく」と山口監督。ファンとなった子供たちは、変わっていくガンダムの姿にわくわくし、玩具となって店頭に並ぶ新しいパーツを組み付け、進化を実感する。


 キャラが替わり、ガンダムが変化していく展開にめまぐるしさを感じそうだが、山口監督は「全体を通して流れているものは一つ」と訴える。「人を殺してはいけないとか、親しい人が死んだらつらいといった、当たり前の気持ちを感じてもらえれば。価値基準が違う人たちが、どうやったら融和できるのかも訴える。これはガンダムにとって永遠のテーマ」

 これまでの世代に驚きをもたらし、新しい世代を興奮させ、次の世代にも引き継がれるガンダムが生まれようとしている。



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